なんでもよくおぼえてる

人生はからっぽである

くちびるに木枯らし

去年の日記によると、去年も11月18日に木枯らし一号が吹いたそうだ。なるほどね。何でも書いておくものだ。
昼、夕方、夜と、時間が経つにつれて、どんどん寒くなって行った。帰り道、御堂筋に吹きつけてくる風は相当強く、冷たかった。
夕食には、野菜たっぷりのスープを作る。寒い日には、温かいスープがいい。このスープとパンとチーズと、残りの赤ワインをひとりで飲んでしまう。
あの人は今頃、どこでどうしているのだろうか。ひとりでお酒を呑んで、酔っ払いはじめるといつも、このことを考える。元気でいるんだろうか。疲れていないだろうか。無理してないだろうか。きっと無理してるだろうな。そのことを、わたしは聞いてもいいんだろうか。