なんでもよくおぼえてる

人生はからっぽである

2013-01-01から1年間の記事一覧

熱き心に

シカゴは−15℃だけど、晴れている。ハバロフスクは−11℃で、シカゴより少し暖かい。って、これは暖かいとはいわない。にわか雪。ふわふわと白い粉みたいなものが舞っている。今年最後の京阪電車に乗って、実家に帰った。大晦日の朝の京阪電車はすいていて、右…

you talkin’to me?

年の瀬の大阪。昼休み、堂島界隈を歩いていると、カレンダーがたくさんつっこまれた紙袋を手にした人々とすれ違う。きょうが仕事納めの人が多いのだろうな、わたしは違うけど。 会社でもノベルティとしてもらった来年のカレンダーをみんなで分け合っていた。…

あしたの天気はどうですか

リビングのテーブルに肘ついて、珈琲を飲みつつ家の窓からぼうっと外を眺めていたら、斜め向かいのマンションのベランダに干された、水色の毛布が風に揺れていた。10分か15分の間、ずっとずっと揺れていた。 わたしが水色の毛布を眺めていたのは早朝で、それ…

わたしは書物の表題に恍惚となるのです

たぶん、9月になってから一度もエアコンを稼動させてない。扇風機はもともと使っていないので、自然の風だけで生活できている。こんな当たり前のことがありがたく感じられる今年の夏も、もう終わりだ。8月の終わりに、京阪特急内で忘れた日傘が、本日無事手…

美しき混乱

最近、ビールはアルコール飲料じゃないんじゃないかと思うようになった。飲んでも飲んでも酔わないから。世界が歪まない。本当にサッポロ黒ラベルなのか?瓶を確かめても間違いなくて、ウイスキーや日本酒に切り替えると、気分は少し浮き立ってはくるのだが…

わたしの瞳にとどまるならば

6月1日。 入梅してから6月になった。朝晩はけっこう涼しく、窓を開け放っていると、手足が冷たくなってしまう。 きょうは夕方に、少しだけ雨が降った。会社の窓際の席に座って帰り支度をしているとき、ぽつぽつと窓に雨粒が当たって、そのまま下に目をやると…

希望は地上の路のようなものだ

昨日の夜中に、東京から帰ってきた。歩きすぎて硬直した足を風呂でほぐしてすぐに寝て、そのまますぐ朝になった。 寝たらすぐに朝になる。子どもの頃は不思議だった。どうして寝たら次の瞬間はもう朝なの?なんでこんなに早く時間が経つの?寝ている間も生き…

 2666

いつだったか日にちは忘れたけれど、難波か梅田のジュンク堂でロベルト・ボラーニョ『2666』(白水社)を買った。6600円もしたけど、読みたかったので躊躇しなかった。ずっしり重い本が入った袋をかかえて帰ったことは覚えている。購入してしばらくは本棚に…

震える魂よ 肉体に宿いし友よ

淀川のはるか向こうの空港に、旅客機が降りていく。仕事の合間に、空港の方を見るのが、とても好きだ。実際は高速なはずだけど、会社の窓から見る機体はとてもゆっくり下降している。風船みたいに、ふわふわと。 わたしがよく知ってるかもしれない、あるいは…

オールディーズ、バッド、グッデーズ

新年の朝の光に照らされて、空中に微細な埃が舞っている、午前7時。ふと下に目を落とせば、窓のそば、本棚の前、テーブルの下、冷蔵庫のわきに、くるくるまるまった綿埃がひとつ、ふたつ、転がっている。 毎年同じだけれど、年末は思うように休みが取れない…