なんでもよくおぼえてる

人生はからっぽである

2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

手のひらのアイロン

終日、くもり。全く覚えていないが、手帖に「10月31日 くもり」と書いてあったので、そうなのだろう。母が退院した日であることは覚えている。それから、ラジオ深夜便にOKIが出演するというので、出演時間の1時まで必死の思いで起きていたのに、30分くらい聞…

錆びた鉄筋コンクリート

10月30日。はるかかなたに去って行ったような日だ。この書き方に無理があることは、とっくに自分でも気がついているが、まあ、気がすむまでやってみよう。いつか今日に追いつけるだろう。 思い出してみる。この日は、木曜日だから、お稽古に行ったはずだ。そ…

欲を減らすか、持ち物を増やすか

休日。いつもと同じ午前6時に起床し、掃除洗濯など家事をバタバタと片付ける。手や足を一度止めたら、そこで今日一日が弛んでしまうように思う。だから、リズムを保ちつつ、休まず体を動かし続ける。洗濯を干しながら、次の洗い物のことを、キッチンで洗い物…

忍耐と想像力

朝晩は、ピリッと寒くなった。わたしがいつも起きる時間である、午前6時の空気はかなり冷えている。鼻の頭を触ると、ひんやりと冷たい。一生寒くならないのでは、と思うほどの暑い夏であったが、やはり季節はまわってくるのだ。 通勤途中、歩きながら、病院…

さかさの月

10月27日。10月27日ってどんな日だ? 行き帰りとも徒歩。少し寒くなったので、大きめのストールをグルグルと首の周りに巻いていく。 仕事量がものすごい。詳しく書くとまずいので、「ものすごい」としか言えないが、とにかくものすごい。今の会社に勤めてか…

梅干し、ねぎ焼、つくね串

若干、二日酔い気味の朝。朝から昼下がりまで、シトシトと雨。ベランダから身を乗り出してのぞくと、東側に教会が見える。教会の屋根の十字架に、雨粒があたって方々に散っているのを眺める。午前11時になると、讃美歌が流れ、それにあわせての合唱するのが…

昼行燈

比較的穏やかな一日だったけれど、夕方から一気呵成という感じで畳み掛けられて、終業時には、ボロボロになった。突然の津波に襲われたようだった。たぶん、来週は、とてつもない一週間になるだろう。しかし、週明けのことなど考えるのはよそうと、この日の…

鳩とサンドイッチ

朝方は雨だったが、出勤時には止む。そのまま一日中、もう雨は降らなかった。 煩雑だった仕事が少しましになる。まあ、これは今から思えば文字通り嵐の前の静けさだったわけだが、もちろんこの時はわかるはずもなく、素直に余裕を持って働けることを喜んでい…

どこにいても眠い

休日。しかし、実家に帰る約束をしているので、気が休まらない。疲れが砂のように溜まっていくようだ。とにかく一日中、何をしていても眠気が襲ってきて、辛かった。電車の中でも、バスの座席でも、実家の畳の上でも、自宅のソファーに座っていても。終日、…

開いた窓から薄明かり

シトシト雨降り。問題発生した余波で、今日も仕事が忙しい。仕事が忙しいと、本が買いたくなるので、残業の後、紀伊国屋へ行く。 野口富士男の子供が新書を出したらしいので、それをチェックする。父親の日記のことだけを書けばいいものを、定年後の自分のこ…

訓練を用意すること

半休をもらう。昼の12時まで仕事をして、退社。特に理由はない、晴れていて気持ちがよかったし、仕事するのが嫌だっただけだ。 昼食に、堺筋本町の洋食屋さんで、ジャーマンオムライスというのを食べる。ケチャップ味のオムライスにデミグラスソースをたっぷ…

茶をすする

晴れ間の間に、時々雲がひろがる。 今日は、文庫化された黒川創『明るい夜』を読む。再読。評判が高かった(らしい)『かもめの日』は、あまり気持ちがのっていかなかったが、『明るい夜』は良い。風景が丁寧に描写されている部分を読んでいると楽しい。広河…

ドキッとする瞬間

京阪電車に、中之島線というのが開通した。天満橋から、中之島まで地下を走る。天満橋から中之島界隈くらいはいつも軽く歩いてしまう者としては、わざわざ暗い地面の下を電車に乗ることはないと思うけれど、京阪電鉄関係者はそれなりに盛り上がっているよう…

土曜日では遅すぎる

土曜日だ。仕事量多く、バタバタで、週末って感じは全くしないけど、面接が終わったことがわたしの気持ちをずいぶん軽くしてくれた。おまけに、今日は快晴だ。10月の空は、いつになくとても高い。 昼休みは御堂筋を少し入ったところのお粥屋さんで、鶏団子粥…

スーツを着る

久々にスーツを着て、ヒールのある靴を履いて、出勤。カツカツと音を鳴らして、アスファルトを蹴っていると、自分が歩いているのではないような、錯覚に陥る。 午前中に面接。眼鏡でオールバックの人事部の男と、1対1で30分ほど。先日受けた試験のフィードバ…

レッスン

今日も仕事が忙しい。定時に切れ味鋭くスパッと帰りたかったが、そううまくは行かず、結局40分ほど残業した。 急いで地下鉄の駅へ降り、ホームで昼休みに買っておいた、ドトールのバナナマフィンを食べ、温かい缶コーヒーを飲む。ドトールでは、黒豆のマフィ…

コンドルは飛んでゆく?

一転して、快晴に。洗濯機をまわしている間に、朝刊を読む。ギョーム・ドパルデューの死亡記事を見て、驚く。まだ、こんなに若いのに。 昨日、ぬれた傘も一緒にベランダに干す。ベランダに立つと見える裏のマンションのどこかの部屋から、リコーダーの音がす…

野口五郎の夜

週があけた。今週が最大の山場だ。今週さえ終われば、終わってしまえばあとは何とかなる、あとは…、しかし、このあとには何があるのだろう。 昼から、研修。雨の中、上司と梅田まで出かける。2年前にうちの部署に異動してきたこの人と一緒に外出するのは初め…

河出書房新社の日

晴れた一日。 四天王寺古本市で、1970年に河出書房新社から出たロレンス・ダレル『ジュスティーヌ』『バルタザール』『マウントオリーブ』『クレア』の4部作を値切って買う。鉛筆ですこし書き込みのあるものは1000円、他は1200円くらいの値がついていたが、4…

障害物をすり抜ける

わたしにとっては、連休初日。雲の多い天気だったけれど、キッチンマットや、シーツを洗濯して、ベランダのあらゆる手すりを使って干す。 洗濯に夢中になっていたため、小川洋子さんのラジオ番組を聴きそびれた。今日のテーマは確か、アラン・シリトー『長距…

取捨選択の末に

雨でグズグズしていたが、午後より徐々に天気回復、夕方にはすっかり空気が入れ替わり、涼しい風が吹く。 早起きしたので、風呂に入るついでに、早朝より風呂掃除に精を出す。立ったまま、竹のブラシで床を磨いていく。京都三条大橋のたもとの店で買ったブラ…

密やかな愉しみ

朝のうちは晴れていたがどんどん曇りはじめ、夜中から雨が降る。 阪神タイガースが優勝を逃した。甲子園でシリーズを戦えないなら勝ってもしょうがない、という気がシーズン途中からずっとしていて、負けがこんできてからは、早く終わってしまえばいいのに、…

伝言ゲーム

少し早めに家を出て、早足で歩く。涼しい風が吹いて、歩くのも楽な季節になった。谷町筋と松屋町筋の間の道をテクテク行って、寺の間の抜けて、長堀通りを越えてから、西へ下っていく。このルートが最も木の緑が多く車が少ない、歩きやすい道だ。目に入ると…

『キェシロフスキの世界』

仕事場の朝礼で隣の部署の人が、日本人が3人もノーベル賞を受賞して嬉しいですね、日本中が喜びに包まれましたね、などと話しているのを聞いて、ふうんそんなことがあったのか、と知る。 この会社は理系の人が多いからそう感じるのかもしれないが、わたしは…

壁際の金木犀

休日。8時くらいまでぐっすりと寝る。むくっと起きたら、空は曇天。せっかくの休みなのに、布団を干せなかった。終日ずっと曇りで、時折思い出したようにパラパラと雨が降る。厚めのスカーフを巻いていた記憶があるので、きっと少し寒かったのだろう。 部屋…

酔いが覚めたら

朝のうち、しょぼしょぼの雨が降る。起床7時20分と、大幅に寝坊してしまったけれど、のんびり支度しても、いつも乗る地下鉄に間に合った。月曜日で雨のせいか、電車はギュウギュウで、本も満足に広げられなかった。電車通勤はストレスがたまる。明日からは、…

光と埃のすごいごちそう

朝刊がポストに入ってなかった。午前8時を過ぎても配達されないので、配達所に電話をしてみる。責任者のような人が出てきて、配り忘れでしょう、すぐ持って行きます、とのこと。出かける予定もあったし、明日の朝刊と一緒でいいですよ、と言ってみるが、今日…

逃げる逃げる逃げる

前日に引き続き、秋晴れ。今日が休みだったら、洗濯ものも布団もダアッと干して、さっぱりできたのに、と思う。しかし、今日は休みではない。 馬車馬のように働く。 行き帰りとも徒歩。出勤前にスターバックスに寄って、あと、昼休みにも、茄子とトマトソー…

遠回りして帰ろう

気持ちよく晴れた。陽気に誘われ外をふらふら散歩したいが、気が重い仕事が待っているので、会社には行きたくない。 ISOって、いったい何やねん。自分に最も似つかわしくない業務ではないかと思うが、誰もやる人がいなくて、ボーッとしているわたしにお鉢が…

偽の美

午前6時半に目覚める。疲れて、体が鉛のように重い。会社に行きたくない、働きたくない、と切実に思うが、きっと今日も元気に明るく働いてしまうだろう。 朝食は、トーストと、珈琲。バナナがないので、りんごとヨーグルトを食べる。いつまでバナナの品薄は…