なんでもよくおぼえてる

人生はからっぽである

2012-01-01から1年間の記事一覧

心細くなってしまうのだろうか

もう少し晴れるかと思っていた。久しぶりのお休みだったので、朝7時頃から張り切って布団を干してみたものの、いっこうに太陽は出てこなくて、出てきてもすぐに隠れてしまった。どんよりした空から時折冷たい風が吹き、ベランダにかかったシーツをゆらしてい…

酒を注げ、それから歌え

蝉は、午前5時半に鳴き声をあげる。昇る太陽にあわせてどんどんボルテージがあがり、洗濯物を干すためにベランダに出たときには、木全体がスピーカーみたいにうなりをあげていて、蝉に包まれる感じになる。声が耳に、日が肌に痛い。日録によると、今年、初め…

長い時間の記憶は消えて

ホントに若かったよな。恐いものなしだよな、立ってる姿だけでそう見えるじゃないか、こんな時がいつか自分たちにも来るなんて全然考えてないよな、俺だって考えたことなかったもん、死ぬとかさあ、年とるとかさあ、自分は十年後も二十年後も今と同じ姿して…

やさしい手紙が書けるように

2月2日(木) 『みすず』読書アンケート特集が届く。 『みすず』は梅田の旭屋で買うのが当たり前だった。しかし、旭屋は昨年末にひっそりと店をしめた。ビルの老朽化、というのが理由だが、ビルが建て直されてもここにもう一度本屋ができることはないだろう…

君が恋しくて

午前6時、布団から抜け出して、壁にかけてある温度計を見たらマイナス2℃だった。一応、オイルヒーターつけてるんだけどな、と思いつつ、マッチを擦ってアラジンストーブに火をつける。窓の外は夜のように暗く、黒い空の下、寺の鐘の音が響いていた。また今日…

おしょうがつにっき 一塊のパンと一瓶のワイン

どんよりとした空を眺める午前7時。なんとなく気持ちがふさぐ。おやすみもあと2日か。お正月ももう終わる。いかなることも、始まりは終わりを含んでいる。昨日買っておいたドーナツをオーブントースターで温め、珈琲とコーンスープで朝食をとる。今日は朝刊…

続・おしょうがつにっき

午前7時に目が覚める。カーテンの向こうは薄く晴れた空。しかし、洗濯機をまわし始めた途端、細かい雨が降ってきた。雨は目に見えなかったけれど、ベランダから見える自動販売機で飲み物を買っている人が傘をさしていたので、それとわかった。雨は瞬く間に、…

おしょうがつにっき

風呂をわかし、湯船に柚子を浮かべている間に、新しい年になった。毎年何度も年があらたまり続ける。年があけたからといって特別なことは何もしないけど、日記でも書いてみようかな、と思いつくことくらいが、年末年始の恒例行事だ。しかし、これはもはやも…