なんでもよくおぼえてる

人生はからっぽである

2010-01-01から1年間の記事一覧

きみの夢をみたのに

毎朝、アラジンストーブにマッチで火をつけるたび、強烈に煙草が吸いたくなる。マッチを擦って、まだ暗い朝の部屋にジュッという音とともに浮かび上がる炎と、硫黄みたいなにおいが、起きぬけに毎日、煙草に火をつけていた懐かしいあの頃を思い出させる。 煙…

あいたいひとなら

天気予報では晴れるはずだった。でも、いつまでたっても晴れなかった。窓の外を黒い雲が流れていく。強い風が吹いて雲を流し、隣の寺の庭の木を揺らす。赤く染まった葉っぱは、それでもまだ散らない。 午前9時、洗濯物を干し終えた後もベランダにしばらく立…

暗闇でも赤い薔薇

ひっそりと夏は去った 暖かいというだけでは淋しい 楽しい夢が叶えられるとしても ただ、それだけでは淋しい 善も悪も明るく燃え上がる ただ、それだけでは淋しい 生は私をやさしく包んでくれる 幸せというだけでは淋しい 葉は焼かれず、枝も折られないで さ…

子犬みたいに眠ってる

年が明けて、2010年になった。2010年?全くピンとこない。年を経るにしたがって、どんな未来も想像できにくくなった。わたしには、今ここにある現在しかない。そして、覚えていたい過去が思い出として少しだけ、手元にある感じ。今年の目標や抱負を並べてみ…