なんでもよくおぼえてる

人生はからっぽである

2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

コロッサル・ユース

休日。音のしない雨が降り続く。洗濯もできないし、布団も干せない。仕方がないので、掃除をする。 部屋に散らばった本を、本棚代わりにしている押入れに積み上げていく。横積みの美学を追求している、と言えば聞こえはいいが、多すぎてきちんと陳列不可能な…

かじかんだ手のひらをあわせる

寒い。ラジオをつけたら、今日は11月中旬の気温です、などと言っている。わたしは寒さに弱いので、そんな言葉を耳にしただけで、コートを着込みたい気分になる。しかし、引越して以降、秋冬物は、どこに仕舞ったものか生活圏内で見かけたことがないので、着…

母との対話

肌寒い日曜日。小川洋子さんのラジオを聞く。今日は辺見庸『もの食う人々』。この番組を聞くと、ああやっと休みだ、と思う。家で日がな一日本を読んでいたいが、そうもいかない。神はわたしにそう簡単に休みをくれない。 家事をかたづけて、実家へ帰る。行き…

口の中の穴蔵へ

昼休みに歯が抜けた。 お盆前からグラグラしていた、左上の奥歯から2本目。食後の歯磨きの最中、ブラシに揺り動かされて、ついに口中へ落下した。洗面台に吐いた歯磨き粉は真っ赤に染まっていて、よく朝食に食べるイチゴジャムいりのヨーグルトみたいだった…

甘く熟した果実を

出勤時、ひどい雨に降られる。ザンザカザンザカ雨粒が落ちてきて、これではさすがに片道40分も歩けない。会社に着く頃には、服のままプールに飛び込んだ人みたいになるだろう。 雨は、午前中の間降ったり止んだりを繰り返し、午後からは、今にも悪魔が降臨し…

ぐるっとまわって、もとどおり

午前5時半目覚める。日記を書いて、池澤夏樹『パレオマニア』の続き。韓国篇を2章読む。童の石仏が見たくなる。この本を読んでいる間ずっと、博物館に行きたいと思い続けている。かび臭くて、人気のない、鄙びた街の片隅の博物館で、誰も見向きもしないよう…