なんでもよくおぼえてる

人生はからっぽである

2014-01-01から1年間の記事一覧

わがままエイリアン

晴れて、あたたかい日曜日。朝、布団を干すとき空を見上げたら、ひこうき雲が何本もくっきりと、青い空に見えていた。ひこうきが残す白い線は、機体が遠ざかるにつれ平べったくのび固まって、当たり前の雲になっていく。空を眺めるのに飽きたら、珈琲をつく…

われもまたその如く走らんと

この秋、初めて、酒を燗して、秋刀魚の焼いたのを食べる。燗酒はいつ飲んでもお正月の味がする。そういえば、もうすぐ、また、正月だ。 しかし、ラジオでは野球をやっている。ABC朝日放送の解説は岡田彰布。話すときこれほどまでに、「だから」という接続詞…

まるで見えないふりをして

9月23日、秋分の日。 玄関を開けると西側に見える寺の墓場がいつになく華やかだとおもってよく見ると、ほとんどの墓が赤や黄色、白に紫の花に彩られている。花の名前はわからない。いつもに増して、お参りの人が多い。線香のにおいと読経の声、烏もうろうろ…

蒼白なる両頬に

昨夜、電車を乗り過ごした。ビール1リットル、ハイボール500ミリリットル、赤ワイン1本飲んでいたけど、そんなに酔ってる感じはしてなくて、もうすぐ読み終わるアンダソン『ワインズバーグ・オハイオ』を開いてもちゃんと文章が頭に入ってきたから、きっと大…

ゴールはあるが、道はない

今朝も5時に起きて、洗濯機を回し、その側に椅子と淹れたての珈琲を持ってきて(何故なら洗濯機横は風が南から西から入り、家中で一番涼しいから)、尾崎真理子『ひみつの王国 評伝石井桃子』(新潮社)を読み終えた。 数週間、朝の1時間くらいを使って読ん…

雨水の鉄の矢にお前を刺し貫かせよ

朝、起きたら、空が真っ青だった。そろそろ今年の梅雨も終わりだ。 昨日は休日出勤していて、でもけっこう暇だったので、15時ごろから窓の側のデスクに陣取って、西の方角から雷雲が近づいてくるのをずっと見ていた。薄暗い雲の間から、黄色の稲妻が光って、…

語られなかった物語を

雨が降っている。絶え間なく天から水が強弱つけて落ちてくるなんて、よくよく考えたらものすごく不思議な現象だ。誰もなんとも思わないんだろうか。何も言わずに傘さして歩いて。天気はすごい。水は木をぬらし、土を湿らせ、道にたまって、どこかへ流れてい…

他人の夢を眠る

アメリカ合衆国が国をやめることになり、ラジオからオバマ大統領の演説が流れた。国をやめる、というのがどういうことなのかよく意味がわからないが、オバマは、非常に残念だがこうなった以上は仕方がない、というようなことを沈痛な声で語っていたので、き…