なんでもよくおぼえてる

人生はからっぽである

カーテンから大根足

今年一番の寒さ、らしい。すきま風のせいで、家中のガラス戸ががたがた揺れる。やはり築30数年のマンションは、機密性の低さがすごい。部屋がとにかく寒くて寒くて、家の中でもマフラーを巻いている。
休日で、朝から黒門市場に買出しに行く。いつもは夜、19時をとうにまわってからうろうろしているから、人通りが途絶え、店しまいした後の商店街しか知らなかったが、黒門市場の平日朝の活気には目を奪われるものがある。正月でもないのに、生きのよさそうな、フグやカニや海老が普通に売っている。目移りしつつ、鮭やジャコ、明太子、牛肉にひき肉、野菜いろいろを買う。
実家へ帰り、母の相手の後、帰り道に本を買う。ジャン=リュック・ナンシー『作者の図像学』(ちくま学芸文庫)、『アメリカの黒人演説集』(岩波文庫)、楽しみにしていたヴァールブルク『蛇儀礼』など。
帰りの京阪で『蛇儀礼』を読みながら、なんでこんなものが読みたかったんだろう、と思う。