なんでもよくおぼえてる

人生はからっぽである

枝豆のみどり、葡萄のブルー

さっき、本の整理をしながらラジオを聞いていたら、角田光代の『いつも旅のなか』から、モンゴルに旅したときのエッセイを中島朋子が朗読していて、わたしも「なんにもないウランバートル」のどこかに立ってみたくなった。そして久しぶりに、角田光代の書いたものを読んで、おおまるでわたしのことが書かれているみたいやん、と思ってみたくなった。あとでどこかに買いに行こう。

17日のこと。
夏休み明けで、仕事がいっぱいあった。やるべきことを大きめの付箋に書いてデスクの前に貼って、終わったらペンで線を引いて消していく。10項目くらいあったけど、17時すぎになってやっと全部消えた。例えば、働いている実感を得られるときってこんなことなんだろうか。働いてるっていうか、こなしているって感覚だけれど。

19時すぎに退社。一緒に帰ろうと言ってついて来た、同じ部署のHさんと心斎橋まで歩く。わたしはひとりで帰りたいが、断る理由を咄嗟に思いつけず。
主にHさんが喋るので、うん、そうやなあ、なるほどね、などと言っているだけで、心斎橋に着いた。日が短くなったなあ、と思う。難波神社の木がゆらゆら揺れて、烏が飛んできて鳥居の上にとまる。雀や鳩は、夕方になると姿を消すのに、烏はまだ飛んでいる。雀や鳩は、もう寝てしまったのだろうか。どこで、どんな格好で?そのことをHさんに言ってみようかと思ったけれど、まるで暗闇にむかって話しかけるような気がして、やめた。

家で晩ごはんを作る。枝豆をふっくらと茹でて、塩をまぶす。ズッキーニ、茄子、ゴーヤ、玉ねぎ、トマト、しめじ、エリンギをにんにくと塩こしょうで炒めて、その上に焼いた牛肉をのせて、レモンをギュと絞る。それと冷奴で、ビール1缶と、赤ワインをグラスに2杯。デザートに巨峰とドーナツ半分、珈琲。

『晴子情歌』の続きを読んで、ソン・トレスのファーストアルバムを聴く。0時近くに就寝。